グループホーム和が家
認知症とは
認知症は身近にあること
厚生労働省の調査では、認知症の出現率は年齢とともに上昇しており、
85才以上の年齢層にいたっては、男性22.2%、女性29.8%となります。
つまり、4人にひとりが認知症の症状を示していることになります。 厚生労働省がまとめた「平成16年簡易生命表」によると、 男性は78.64才、女性は85.59才ですので、85才まで長生きする方は 少なくありません。特に女性は平均寿命と近似しているため、極めて身近な問題と なりうることが分かります。 高齢化社会に突入している日本では、認知症の人口が増加に伴い クローズアップされるようになりました。 現在の認知症の人は、160万人を上回っています。 2020年には292万人、2035年には350万人に 達すると見込まれています。 認知症は『身近にあること』なのです。 私たちはそのことを認識していく必要があるのです。 |
認知症とは
一度習得した知的機能(記憶、認識、判断、推理、学習、見当など)
の低下により、自己や周囲の状況把握・判断が不正確になり、
自立した生活に支障が生じる状態を言います。 もの忘れがひどくなったり、適切な判断力、推理力などの知的機能の低下が原因となり、 周囲に支障を引き起こす言動や行動が顕著になり、見守りや援助が必要になった状態と 言い換えることができます。これらを総称して「生活障害」と言われます。
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医学的な側面
認知症を医学的な視点で見るならば、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、
働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こっている状態を言います。 私たちの行動をコントロールしているのは、『脳』であるため、 それらの細胞が壊れると、精神活動から身体活動に至るまで、スムーズなコントロールが不能になります。 認知症の原因疾患別では、アルツハイマー型が、45〜50%、脳血管性が30%、 両者の混合型が10〜20%とされており、この3つ以外は比較的稀です。 ちなみに、世界ではアルツハイマー型患者は1500万人以上にも達しています。 |
認知症を引き起こす病気
原因は様々…「変性疾患」〜 脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく病気です。 アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病 「脳血管性」〜 脳に栄養や酸素が行き渡らないために 神経細胞が死んでいく病気です。脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化 |
認知症の症状
脳の細胞が壊れることで直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下
など中核症状と呼ばれるものです。この中核症状のため周囲で起こっている現実を正確に認識できなくなるのです。 本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因が絡み合い、 うつ状態や妄想のような精神症状や日常生活の適応が不自由になってきます。これらを周辺症状と呼びます。 中核症状と周辺症状概略図 |
私たちが知らなければならないこと
記憶になければ、その人にとって事実ではないこと物忘れがひどくなって同じことを繰り返したり、家族の顔や自分の家が分からなくなる… そんなことが、身内で起ったとき、誰であっても、 「そのことをどう理解したらよいのか。」 「どう対応したらよいのか。」 混乱し動揺することは必至です。 そんな時のために、心得ておきたいポイントを理解し、備えてまいりましょう。 |
1.ひどい物忘れ(記銘力低下)
見たこと、聞いたこと、体験したことを直ぐに思いだせる力認知症が始まると、先ずこの記銘力の低下が顕著に見られます。 つまり、ひどい物忘れが起り始めるのです。 同じことを何十回、ときには何百回と繰り返します。 しかし、物忘れのために同じ事を繰り返すのは、認知症の人ばかりではありません。 外出時に、カギをかけた次の瞬間に、本当にカギがかかっているかを確認します。 気になることを確認するため、繰り返す行為は人間の本性なのです。 認知症の人だけが異常であると考えないことが大切です。 |
2.全体記憶の障害
出来事全部をスッポリと忘れてしまう私たちの記憶はとてもはかなく、重要でない事柄のほとんどは記憶にとどめることができません。 認知症が始まると、自身が体験した全体の出来事をスッポリと忘れるようになります。 このとき、私たちは否定や嫌悪感をもって対処するのではなく、 当事者を認めたうえで行動を促していくことが肝要になります。 |
3.記憶の逆行性喪失
その人の現在は、最後に残った記憶蓄積されたこれまでの記憶が、現在から過去にさかのぼって失われていく現象をいいます。 つまり、その人にとって最後に記憶が残っているところが、現在の時点になっています。 仮に、30才の記憶が最後に残っていた場合は、当事者の30才に戻った行動が見られるのです。 また、幻覚・妄想と呼ばれる症状も、認知症の人の体験や思考の、断片的な世界と捕えると、 決して異常な世界ではなくなります。性的異常行動もこのことを理解しておくと、異常とは思えなくなります。 認知症の人の気持ちや置かれている世界を理解することは、とても大切なことです。 |
認知症の症状について
記憶障害とならんで、表面化する症状時間や季節感の感覚が薄れる◆予定にあわせて行動することができなくなる◆季節感のない服を着たり、自分の年がわからないなどのことが起る 迷子になったり、遠くへ行こうとする◆近所で迷子になる◆夜に自宅のトイレの場所が分からなくなる ◆歩いて行くことが困難な場所へ歩いて出掛けようとする 人間関係における見当識◆現在の年月、時刻、自分がどこにいるのかなどの基本的な状況を把握することができなくなる |
物事を考えることにも支障をきたす考えるスピードが遅くなる【ポイント】裏をかえすなら、時間さえかければ自分なりの結論に 至ることができます。急がせないことが大切です。 2つ以上のことが重なるとうまく処理できなくなる【ポイント】1度に処理できる情報の量が減っています。念を押して、 情報を過剰に与えると逆効果となり、 ますます混乱を招きます。 シンプルな表現で、1つのことを伝えていくことが重要です。 変化に混乱を来しやすくなる予想外のことをきっかけに認知症が発覚することがあります。【ポイント】 補い守ってくれる人の存在が大切です。 観念的事柄と、具体的な行動が結びつかなくなる。 例えば台風がくるから外に出てはいけないという意識と、 散歩に出掛けることの具体的な事柄とが結びつかなくなります。 |
感情の表現に変化その場の状況、言葉の流れを読みきれない周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示すことがあります。 |
実行機能障害抽象概念と具体的行動が結びつかなくなり、実行機能に障害をもたらす ボタン操作で動かす家電機器など、機械がもたらす結論と、 ボタン操作が結びつかなくなることによって 起こる実行機能(遂行機能)の障害 |
元気がなくなり、引っ込み思案になることもある抽象概念と具体的行動が結びつかなくなり、実行機能に障害をもたらす 自信を失い、すべてが面倒になる将来の望みを失って、うつ状態になる場合もある |
認知症の家族が通る、4つの心理状態
当事者はもとより、身内に認知症の人を抱える家族には これから乗り越えなくてはならな心理状態があります。
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手を取り合って生きるヒント
末永く、無理のない介護のためのヒント
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